Zapier Next Gen Zapsとは?ChatGPT・ClaudeからMCPで自動化を作る仕組みを解説

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Zapierは2026年9月23日のZapConnect 2026で、「Next Gen Zaps」を発表しました。

従来のZapは、Zapierの画面でトリガーとアクションを組み合わせて作るのが基本でした。Next Gen Zapsでは、ChatGPT、Claude、CursorなどのMCP対応AIへやりたいことを説明し、その会話からワークフローを作ってZapierへデプロイできます。

作成後はチャットを閉じてもZapier側で継続実行されます。複雑な分岐やループ、途中停止からの再開、コード編集に加え、実行失敗を監視して修正案を作るAgentic Managementも用意されています。

2026年9月29日時点ではEarly Accessで、Professional、Team、Enterpriseの有料プランが対象です。Early Access中はNext Gen Zapsの構築・テスト・実行によるタスク消費や追加請求はありません。

この記事では、Next Gen Zapsと従来Zapの違い、ChatGPTやClaudeからMCPで作る流れ、Agentic Managementによる自己修復、料金、権限管理、Early Accessで確認しておきたい制限を整理します。

Next Gen Zapsは「AIとの会話」を継続実行するZapへ変える

Zapier MCPを使うと、MCP対応AIからGmail、Slack、Google Sheets、Salesforceなどの外部サービスを操作できます。

AIへその都度「メールを確認して」「この内容をSlackへ送って」と指示する使い方は、会話中の単発操作です。

Next Gen Zapsでは、会話の中で作った処理をZapier上で独立して動くワークフローへデプロイできます。

たとえば、

  • 新しい問い合わせが来たら内容を分類する
  • 条件に応じて担当者を変える
  • 必要な情報を複数サービスから取得する
  • 承認が必要なら人の返答を待つ
  • 承認後に後続処理を再開する

といった処理を、一度作成した後はチャットを開いていなくても実行できます。

従来の「AIから外部サービスを操作する」だけでなく、AIとの会話で自動化そのものを設計し、継続実行へ移せることがNext Gen Zapsの大きな違いです。

従来のZapsとの違い

Next Gen Zapsは、従来Zapの自動化に、より複雑な処理とAIによる管理を加えた実行方式です。

項目従来のZapNext Gen Zaps
主な作成方法ZapierのビジュアルエディタAIとの会話、TypeScript、ビジュアルキャンバス
AIツールからの作成Zapier MCPで操作可能MCPからワークフロー自体を作成・公開可能
ループ従来のLooping制約あり複数ループ、ネストループ、リスト全体の処理に対応
分岐Pathsなどで構築分岐後の再結合や多数のパスを扱える
途中停止Delayなどを組み合わせる人の返答や予定時刻まで停止し、その後再開できる
コード編集Codeステップなどワークフロー全体をTypeScriptでも編集できる
障害対応エラー確認や既存の再実行機能Agentic Managementが失敗を診断し、修正案を作成

Zapierは、500件のLooping上限を超えるリスト処理、ループの入れ子、分岐後の合流、失敗した一部処理を抱えたまま後続処理を続けるエラーハンドリングなどをNext Gen Zapsの新機能として挙げています。

単純な「Aが起きたらBをする」処理は従来Zapでも十分です。Next Gen Zapsは、条件分岐や繰り返し、人の確認、AI判断、コード処理が混ざるワークフローほど違いが出ます。

ChatGPT・ClaudeからMCPでNext Gen Zapを作る流れ

Next Gen Zapsは、MCPに対応したWebチャットやコーディングエージェントから作成できます。ZapierはChatGPT、Claude、Cursorなどを例に挙げています。

基本の流れは3段階です。

1. Zapier MCPをAIへ接続する

最初にZapier MCPサーバーを作成し、利用するMCPクライアントへ接続します。

Zapier MCPでは、接続したZapierアカウントのアプリとアクションをAIから利用できます。認証情報はZapier側で管理され、利用可能なアプリやアクションも制御できます。

2. zapier:build-workflowsスキルを使う

Next Gen Zapsを作る場合は、MCPクライアントへzapier:build-workflowsスキルを使うよう指示します。

このスキルが、ワークフロー作成に必要なツールを用意し、利用中のZapierアカウントにEarly Accessが有効かも確認します。

3. 自然言語で目的を伝えてデプロイする

その後は、たとえば次のように目的を説明します。

「フォームに問い合わせが来たら内容を分類し、重要度が高い場合はSlackへ通知。通常の問い合わせは担当者ごとのGoogle Sheetsへ記録する」

AIは利用できるアプリ接続を確認し、必要なステップを組み立てます。作成したワークフローはZapierへデプロイされ、以後は設定したトリガーで独立して動きます。

MCP自体の役割と、AIエージェント同士をつなぐA2Aとの違いについては別の記事で整理しています。

MCPとA2Aの違いとは?AIエージェントの接続先と使い分けを解説
MCPとA2Aの違いを初心者向けに解説。MCPはAIとツール・データ、A2AはAIエージェント同士を接続する規格です。役割、使い分け、両方を組み合わせる構成まで整理します。

Workflow ManagerではAI・コード・画面編集を行き来できる

AIから作成した後も、チャットだけで管理する必要はありません。

Next Gen ZapsにはWorkflow Managerがあり、1つのワークフローを次の3つの方法で編集できます。

  • AIアシスタントへ自然言語で変更を依頼する
  • TypeScriptコードを直接編集する
  • ビジュアルキャンバス上で特定のステップを編集する

AIで大枠を作り、必要な部分だけコードで調整し、最後にキャンバスで確認する、といった使い分けができます。

Classic ZapをNext Gen Zapへインポートする機能も用意されています。現在は自分が所有するZapだけが対象で、他人のZapを取り込む場合は複製または所有権の変更が必要です。

変更はDraftとして作成し、公開すると新しいVersionになります。過去のVersionから新しいDraftを作ることもできるため、Agentic Managementが変更した内容を含め、ワークフローの状態を世代単位で確認できます。

Agentic Managementは実行後のワークフローを監視する

Next Gen Zapsで特徴的なのがAgentic Managementです。

これはワークフロー内で毎回動くAIステップではなく、ワークフローそのものの実行状況を監視する管理エージェントです。

Agentic Managementには3つの設定があります。

設定役割
Heal実行に失敗したワークフローの原因を調べ、修正する
Optimize成功した実行を見て改善案を提示する
Automatically apply fixes条件を満たす修正を人の承認なしで適用する

失敗した実行はまず最大5回再試行され、それでも解消しない場合にAgentic Managementがエラーを読み取り、修正を検討します。

自動適用には範囲があり、次のような変更はユーザーの承認が必要です。

  • 新しいツール呼び出し、アクション、分岐を追加する
  • エージェントの修正確信度が低い
  • 認証やアセットを変更する

自動適用できる修正でも、Zapierは先にワークフローをテストし、その後に新しいVersionとして公開します。変更内容はVersion履歴から確認できます。

AIエージェントへどこまで操作権限を与えるかについては、こちらの記事で基本的な考え方を整理しています。

AIエージェントにどこまで権限を与える?ファイル・コマンド・ネット接続の安全な考え方
AIエージェントにどこまで権限を与えるべきかを、読み取り・書き込み・コマンド実行・ネット接続・フルアクセスの5段階で解説。CodexやClaude Codeにも共通するサンドボックス、承認、最小権限の考え方を整理します。

Fluid DeterminismはAIを使う場所を固定しすぎない

Next Gen Zapsでは、固定ルールとAI判断を同じワークフロー内で使い分けます。

Zapierはこの考え方を「Fluid Determinism」と呼んでいます。

毎回同じ処理でよい部分は固定ルールで実行し、文章生成や判断などAIが必要な場所だけAIを使う。予期しない状況ではAI側へ処理を戻す、という設計です。

Zapierが示す構成は大きく4段階あります。

  • Deterministic:すべて固定ルール
  • Deterministic + AI:一部の生成・要約などだけAI
  • Deterministic + agent:複数ステップだけエージェントへ任せる
  • Fully agentic:エージェントが計画し、複数ツールを使って進める

この方式なら、毎回AIへ同じ判断をさせる必要がない処理ではトークン使用量を減らし、例外時だけAIの柔軟性を使えます。

Early Access中の対象プランと料金

2026年9月29日時点ではNext Gen ZapsはEarly Accessです。

対象は次の有料プランです。

  • Professional
  • Team
  • Enterprise

Freeプランは対象外です。

TeamではOwnerまたはAdminがEarly Accessを申請します。EnterpriseではZapier Supportへの連絡が必要です。

Early Access中は追加課金・タスク消費なし

Early Access期間中は、Next Gen Zapsの構築、テスト、実行によるタスク消費はなく、追加料金も発生しません。

正式な課金開始後は、従来Zapと同じタスクベースの考え方が使われる予定です。

  • 成功した通常のアプリアクション:1タスク
  • AI by Zapier:プランごとのタスク料金
  • 外部APIやアプリからデータを取得するfetch call:1回1タスク
  • フィルタ、整形、ループ、分岐などワークフロー内部のロジック:タスク消費なし
  • 作成、編集、テスト、公開:タスク消費なし

課金開始日と最終的な詳細は、開始前にメールや製品内で案内するとしています。

日本語ページからもEarly Accessが案内されている

Zapierの日本語版Workflowページでも、Next Gen ZapsのEarly Accessと申請導線が公開されています。

現行の公式ヘルプには国・地域による利用制限は記載されていません。一方、Early Accessは「limited availability」とされているため、日本語ページから申請できても有効化の時期はアカウントごとに異なります。

利用する場合はEarly Accessを申請し、アカウント側でNext Gen Zapsが有効になったことを確認してから使います。

権限管理はMCP側とNext Gen Zaps側を分けて見る

Zapier MCPでは、AIがアクセスできるアプリ、アクション、接続先を管理できます。

企業利用では、AIに許可するアプリやアクションを増やすほど、自動化できる範囲と同時に扱えるデータ・実行権限も広がります。

特にEarly Accessでは、Zapier自身が機密性の高いワークフローから試さないよう案内しています。

また、Zapier MCP全体ではEnterprise向けのアプリ・アクション制限や監査機能が案内されていますが、Next Gen ZapsのEarly Accessでは一部のEnterprise機能が未対応です。

公式ヘルプでは、Audit log、Log Streams、Action restrictions、Custom data retention、公開承認、Managed app connections、フォルダ権限などが、Next Gen Zapsでは未対応または従来と同じ動作が未確認の項目として挙げられています。

そのため、既存ZapでEnterpriseの統制機能を使っている場合は、「Zapier全体で対応しているか」ではなく「Next Gen Zapsでも同じ統制が効くか」を確認してから移行する必要があります。

Classic ZapとNext Gen Zapsは用途で使い分ける

Next Gen Zapsには、従来Zapより柔軟なロジックとAI管理がありますが、2026年9月29日時点ではEarly Accessです。

既存の単純なZapはそのまま利用でき、複雑な処理やAI管理が必要なワークフローをNext Gen Zapsへ分ける使い方ができます。

Next Gen Zapsを試す価値が高いのは、

  • ChatGPTやClaudeの会話からそのまま自動化を作りたい
  • 複数のループや分岐後の再結合が必要
  • 人の回答を待ってから処理を再開したい
  • AI判断と固定ルールを混ぜたい
  • 失敗したワークフローの診断・修正まで自動化したい
  • TypeScriptで細かな処理も調整したい

といったケースです。

2026年9月29日時点では、Early Access利用者による長期運用の評価はまだほとんど蓄積されていません。複雑な本番業務へ移す前に、影響範囲の小さいワークフローで生成される処理や修正内容を確認する段階です。

まとめ

Next Gen Zapsを判断するときは、「どこで作るか」「どこまで複雑な処理が必要か」「AIへどこまで修正を任せるか」の3点が選択基準になります。

ChatGPTやClaudeなどからZapier MCP経由で作成し、継続実行はZapierへ任せる。複雑なロジックはWorkflow ManagerでAI・コード・画面編集を使い分け、実行後はAgentic Managementが監視する、という役割分担です。

Early Access中は有料プランで追加のタスク消費や請求がなく、一部のEnterprise統制機能はまだ未対応です。2026年9月29日時点では、影響範囲の小さいワークフローでMCPからの作成とAgentic Managementの修正範囲を確認する使い方が適しています。

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