AIを使った副業というと、AIエンジニアや機械学習の専門家向けという印象を持つかもしれません。
2026年8月20日に正式リリースされた「AIクラウドワークス」は、AI開発だけでなく、営業、人事、経理、マーケティング、ライティング、動画制作、業務改善など、これまでの実務経験とAI活用を組み合わせた人材も対象にした仕事マッチングサービスです。
通常のクラウドワークスと比べると、仕事の探し方も少し違います。現在のAIクラウドワークスでは、案件へ毎回提案文を送る形より、仕事一覧で「興味がある」を示し、スキルや経験とのマッチングを通じて案内を受ける仕組みが前面に出ています。
この記事では、AIクラウドワークスでどんな仕事があるのか、どんなスキルが対象になるのか、通常のクラウドワークスとの違い、副業で登録する前に確認したい点までまとめます。
AIクラウドワークスはAI案件に特化した仕事マッチングサービス
AIクラウドワークスは、企業がAI導入・業務改善を外注し、それを担えるAI技術者・専門家とつなぐサービスです。
2026年5月に事前登録が始まり、正式リリース前にはAI技術者・専門家の登録が1万人を超えました。2026年8月20日に正式リリースされ、企業側の仕事依頼も同日から始まっています。
ここでいう「AI技術者・専門家」は、高度なAIモデルを研究・開発できる人だけを指していません。
公式では、AIツールの実装・構築ができる人に加えて、営業、人事、経理、カスタマーサポートなどの業務知識を持ち、その経験とAIを組み合わせて企業の課題を改善できる人も対象としています。
正式リリース前に集まった登録スキルは9カテゴリ・延べ2.7万件超。中でも「専門職×AI活用系」が6,074件超と最も多く、開発・実装系も4,413件超ありました。
つまり、AIクラウドワークスが求めているのは「AIだけに詳しい人」ではなく、仕事を理解したうえでAIを使って改善できる人です。
「クラウドワークスAI」とは別のサービス
名前が似ているため、ここは区別しておいた方がいいところです。
「クラウドワークスAI」は、文章や画像などを生成するAIツールとして提供されていた別サービスで、2026年6月30日に終了しました。
一方、今回扱っている「AIクラウドワークス」は、2026年8月20日に正式リリースされたAI人材と企業をつなぐ仕事マッチングサービスです。
| サービス | 主な役割 | 現在の状況 |
|---|---|---|
| クラウドワークスAI | AI生成ツール | 2026年6月30日に終了 |
| AIクラウドワークス | AI案件と人材のマッチング | 2026年8月20日に正式リリース |
検索すると古い「クラウドワークスAI」の情報も出てくるため、登録や案件を探す場合はサービス名を確認しておく必要があります。
AIエンジニア以外にも仕事の入口がある
現在の公式ページを見ると、登録人材はかなり幅広く設定されています。
開発・実装系では、AIエンジニア、AIエージェント開発、RAG構築、Dify・Make・n8nなどを使った自動化が対象です。
一方で、次のような仕事も登録対象として挙げられています。
- AIを使った業務改善・BPR
- 社内AI推進・プロジェクト管理
- AI動画・画像・音声制作
- AI活用ライティング・編集
- AI活用マーケティング
- AI活用人事・採用
- ファクトチェック・校正
- 教師データ・アノテーション
- データ分析・BI
- AI研修・活用支援
企業側の仕事例にも、営業リスト作成、広告レポート自動化、問い合わせ対応、請求書処理、採用、EC商品登録、議事録、AI秘書などが並んでいます。

この構成を見ると、副業で重要なのはAIツールの数を増やすことより、自分がすでに知っている業務をAIでどう変えられるかです。
たとえば営業経験がある人なら、営業リスト作成や商談準備をAIで効率化する。経理経験がある人なら、請求書処理やデータ転記を自動化する。ライターなら、AIを使った構成作成だけでなく、事実確認や編集まで含めて品質を担保する、といった形です。
通常のクラウドワークスとは仕事の探し方が違う
通常のクラウドワークスでは、仕事を検索し、条件を確認して提案文を送り、クライアントとやり取りして契約する流れが基本です。
AIクラウドワークスは、より紹介・マッチング型の色が強くなっています。
現在の仕事一覧には、「興味がある」ボタンを押した会員から優先的に仕事を案内するという説明があります。正式リリース前の案内でも、クラウドワークスコンシェルジュが企業と登録人材の間に入り、案件を紹介する仕組みが示されていました。
現在の公式ページでは、企業はAIクラウドワークスと契約し、AIクラウドワークス側が適切な人材を選定・アサインする流れも案内されています。
| 項目 | 通常のクラウドワークス | AIクラウドワークス |
|---|---|---|
| 対象案件 | 幅広い仕事 | AI活用・導入に特化 |
| 仕事への入口 | 自分で検索して応募・提案 | 案件確認+「興味がある」+マッチング |
| 営業方法 | 提案文を送る場面が多い | コンシェルジュによる紹介型が強い |
| 見られる情報 | 実績、評価、提案内容など | AIスキルに加え、業務経験との組み合わせが重要 |

完全に待っていれば仕事が来るという意味ではありません。仕事一覧を確認し、「興味がある」で意思表示することや、プロフィールへ経験・スキルを具体的に登録しておくことが重要です。
実際の案件は開発だけではない
正式リリース直後の案件状況については、個人の実利用レビューも参考になります。
2026年9月1日時点で掲載されていた案件を全件確認したレビューでは、103件が掲載されており、システム開発・自動化支援が48件と最も多かったと報告されています。
ただし、中身を見ると動画台本、SNS投稿、コンテンツ制作なども含まれており、カテゴリ名だけでは仕事内容を判断しにくいケースもあったとのことです。
この103件という数字は9月1日時点の個人調査なので、現在の件数を示すものではありません。それでも、AIクラウドワークスが「AIエンジニアだけの案件一覧」ではないことを確認する材料にはなります。
仕事を探すときは、カテゴリ名だけでなく、
- 何を納品する仕事なのか
- AIでどこまで自動化するのか
- 業務知識が必要か
- 使用ツールが指定されているか
- 継続運用まで求められるか
まで見た方が、自分の経験と結び付けやすくなります。
副業で求められるのは「AIスキル」だけではない
AIクラウドワークスで仕事を受けたい場合、プロフィールに「ChatGPTが使えます」と書くだけでは、企業側から見て何を任せられるのか判断しにくいです。
案件とのマッチングを考えるなら、次の4点を具体化した方がよいでしょう。
1. どの業務を知っているか
営業、人事、経理、カスタマーサポート、マーケティング、ライティング、開発など、まずは本業・副業で経験した業務を言語化します。
AIクラウドワークスでは、この業務知識そのものがスキルとして重視されています。
2. AIで何を変えられるか
「ChatGPTを使える」ではなく、
- 定型レポートを自動生成できる
- 問い合わせ内容を分類して回答案を作れる
- 会議音声から議事録と次アクションを作れる
- 複数の資料から記事構成を作り、事実確認まで行える
- n8nやMakeでSaaS間の処理をつなげられる
のように、業務の前後が見える形にします。
3. どこまで納品できるか
企業が求めるのは、AIを触れる人ではなく仕事を終わらせられる人です。
要件整理だけなのか、実装までできるのか、運用マニュアルまで作れるのか。成果物の範囲を示せると、案件との相性を判断しやすくなります。
4. 人が確認すべき工程を理解しているか
AIを業務へ組み込む場合、誤回答、個人情報、機密情報、著作権、承認フローなども無視できません。
AI出力をそのまま納品するのではなく、どこを人が確認し、どこまで自動化するかを設計できることも実務スキルになります。
9月には「仕事単体」から会社全体のAI化へ広がっている
AIクラウドワークスは、正式リリースから約3週間後の2026年9月7日に「マルっとAI」を開始しました。
これは1つの作業だけを外注するのではなく、企業の業務を棚卸しし、AI化する対象を決め、要件定義、実装、運用ルール、改善まで一括して支援するプランです。
先行事例では、マーケティング、営業、カスタマーサポート、経理、法務、人事労務など8領域・14業務を対象にAI化を進めています。
この動きからも、今後のAI案件は「プロンプトを作る」「AIで文章を書く」といった単独作業だけではなく、業務そのものを理解して、AIを組み込む仕事が増えていくと考えられます。
AI副業を考える場合も、新しいAIツールを追い続けるだけでなく、自分の本業で使っている業務フローや判断基準を、AIで改善できる対象として言語化する方が現在の募集領域と結び付きます。
登録前に確認しておきたい点
2026年9月11日時点で、ワーカー向けの会員登録ページは公開されています。また、事前登録時の公式案内ではワーカー登録は無料、副業・兼業も可能と説明されていました。
一方で、正式リリース後のAIクラウドワークス公式ページでは、ワーカー側の報酬から差し引かれる手数料や契約条件を一律の数字では案内していません。
通常のクラウドワークスと同じ条件だと決めつけず、実際に案件案内を受けた段階で、
- 契約相手
- 報酬額
- 稼働時間
- 納品条件
- 手数料や控除の有無
- 秘密保持や成果物の権利
を案件ごとに確認してから受ける必要があります。
また、会社員が副業として使う場合は、自社の副業規定や競業・機密情報の扱いも先に確認しておく必要があります。
まとめ
AIクラウドワークスは、AIエンジニアだけを集めたサービスではありません。
正式リリース前の登録状況でも「専門職×AI活用系」が大きな割合を占め、現在の仕事例も営業、採用、経理、コンテンツ制作、業務改善などへ広がっています。
通常のクラウドワークスとの大きな違いは、AI案件に特化していることと、提案文を送って競うだけではなく、プロフィールや「興味がある」を使った紹介・マッチング型の仕組みが強いことです。
副業で使うなら、「どのAIツールを知っているか」よりも、自分の実務経験にAIを足すと何を改善できるかを具体的に示せるかが重要になります。
現在の募集領域を見る限り、営業、人事、経理、文章制作、業務設計など、これまで積み上げてきた経験もAI案件のスキルとして扱われています。

